太宰治の冒頭ベスト８【青空文庫】

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あさ、眼をさますときの気持は、面白い。

女生徒

申し上げます。申し上げます。旦那さま。あの人は、酷い。酷い。はい。厭な奴です。悪い人です。ああ。我慢ならない。生かして置けねえ。

駆込み訴え

当時、私には一日一日が晩年であった。

恋をしたのだ。そんなことは、全くはじめてであった。

ダス・ゲマイネ

恥の多い生涯を送って来ました。
自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。

メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

私は禁酒をしようと思っている。

禁酒の心

菊子さん。恥をかいちゃったわよ。ひどい恥をかきました。顔から火が出る、などの形容はなまぬるい。草原をころげ廻って、わあっと叫びたい、と言っても未だ足りない。

恥

あの、私は、どんな小説を書いたらいいのだろう。

秋風記