嫌いになれたらよかったのに。『女帝 小池百合子』を読んで

女帝 小池百合子 (文春e-book) 作者:石井 妙子 発売日: 2020/05/29 メディア: Kindle版 私は百合子を嫌いになれない とにかく面白かった。週刊誌を読んでるような感覚で、続きが気になりどんどん読み進めてしまう。わりと身近な、生きている人のノンフィクシ…

正しさという狂気/村田沙耶香『殺人出産』を読んで

先日、結婚披露宴に出席し、学生時代の友人たちと久しぶりに再会した。 アラサーの女たちが集えば、しぜんと結婚や出産の話になる。披露宴の後に謎に高価なホテルの珈琲を飲みながら、自分たちの近況や、誰々が結婚しただの出産しただのという話で盛り上がっ…

田舎の小さな美術館(他薦まとめ)

田舎の小さな美術館フェチなので、以前ツイッターでオススメを募集しました。最近は予定していたイベントや旅行が中止になって寂しいので、すすめられた美術館をまとめておこうと思います。ツイッターも時間が経つとアカウント消されたり鍵アカウントになっ…

休校の少女たちへ。オススメ少女文学3選

三月、学校に通う人たちにとって、もっとも思い出がつくられる季節に、全国的に学校が休校になった。そしてたくさんの予定や楽しみが白紙になった。大人だって同じだけど、でも子どもの学校の楽しみって季節と強く結びついていて、大人よりずっと取り返しが…

春の夜の歌集3冊(ぜんぶいい)

短歌のことを全然しらない。どの歌人が有名とか、どんな賞があるとか、作風の流行りとか、そういうの、しらない。 いちおう、57577の文字数で世界を書くことくらいしか、しらない。しらないけど、ふらっと本屋の「詩・短歌」コーナーに立ち寄って、なん…

最強の読書法

読みたい本を、読みたいときに、読みたいぶんだけ読み、てきとうに忘れていく。以上です。 世の中には、「速読術で1日20冊を読む」とか、「内容を忘れるなら時間の無駄。完全に記憶する読書術」とか、セコい考え方がありますね。そのセコさ、かたっぱしか…

2019年に読んで愛した20冊

本屋に行くと、たまに絶望的な気分になる。 ここにある本をぜんぶ読もうとすると、人生のほうが圧倒的に足りないことに気づくからだ。2019年はたぶん80~100冊くらい本を読み、たくさん良い本に出会った。 もう2020年になっちゃったけれど、「このときはこう…